わたしは君の前を、ずっと前を歩いて
君のことなんて目に入らないように生きればいい。
後ろなんて見なければいい。
でも実際は、後ろばっかり見ている。
これが切ないのかと言われたら、わからない。
辛いかと言われたら、わからない。
ただひとつはっきり言えるのは、
わたしの中の思い出も過去も、美しいってこと。
あのときに戻れたら なんて思わない
と言ったら嘘になるかも知れないけど、
やさしかった君に、もう一度会いたい。
わたしが君を変えてしまったんだろうか
もともと優しくなかったんだろうか
考えてもしょうがない。
二人はもう、別の世界で生きている。
もう、というか、元からそうだったのかもしれない。
ないものねだりだ。
こんなに幸せな環境にいるのに。
でもここには、愛しそうな目でわたしに微笑んでくれる人は
いないのだ。