春待ち

ずっと会いたかったひとに、会えた。

遠くから見てるだけで精一杯で
顔を見たら何も言えなくて

あの無表情な感じ、あれがこわかったんだ。
わたしは結局、何も変わってなかった。

元気? とか
ひさしぶり とか
そんなことも言えなかった。

あんなに、会いたいって
もう後悔はしないって思ってたし
がんばれるんだと思ってたけど
なんだろうなー 弱虫っていうか
こうゆう自分に酔ってるわけじゃないんだけど

ひさしぶりにあんなに緊張して
それでもう、頭真っ白だった。

でも今日の「恋愛」(つるうちはな)は、格別で。
涙が出そうになった。

もうずっと あのひとのことばっかり考えてた。

結局踏み込めないまま
忘れらんないなら
このまま思い出ごと全部どっかに
冷凍保存してしまっとこうよ。
色あせないように。

とか考えたら涙が止まんなくなった。

泣くくらいなら、一言何か言えばいいのに
こーゆーわたし、嫌いだなぁ

何も変わってない
結局ひとりで解決して、終わらせて、
わたしはあの頃と、何も変わってない。
時間が流れただけ。

もうここにいても誰も来ないから、
前に進もーよ。

恋愛ってさー ひとりでするもんじゃないよね。
わたしってきっとずっと、ひとりでしてんだな。

変わってないといえば
あのひとに会った後はいつも、夢みたいだった。
現実だったのかなぁなんて、10分前のことを思い返してた。
変わってないな。
本物かなーって思った。

もう声も、笑った顔も、覚えてない。
嘘、覚えてるけど
わたしのかわいいあのひとは、全部、思い出の中なんだな。

現実に戻ってきたんだなー

うれしかったんだよ。
うそみたいで。

うれしかったんだ。

よし、笑っていこう。