店長が恋しい。

母からのモーニングコールを、おやすみ、と言って切った。
長い間眠っていたような感覚。

朝からコンビニのバイト。

わたしが働き始めた頃は、
店長と奥さんの二人で教えてくれてて
慣れてからは店長一人が8時に来て
奥さんは9時過ぎに来る、というのが普通だったのに
ここ1ヶ月くらい、店長が朝から来ることは滅多にない。
奥さんが来る。

奥さんは気分屋だ。
機嫌が悪そうな日は、すぐにわかる。
顔に出てるし、喋らない。
普通のときは話しかけてきてくれるだけに、
余計にわかる。

今日も不機嫌そうで、挨拶もしてくれなかった気がする。

今のわたしには、そんなの無理だと思った。
こわい。
話も出来ないなんて、ますます孤独感。

千円札がない。
わたしは両替の仕方も知らないし、電話番号も知らない。
なにかあったらどうするんだ。
一人にしないでくれ。
そんなときに来た奥さんが、不機嫌。
もう無理。

早く帰りたい、と思った。

仕方なく、黙々と仕事をする。

10時前くらいだったか、店長が来た。
久しぶりに見た。
泣きそうになった。

店長は ゆるい ので、あまり緊張感なく仕事できる。
話す雰囲気もノーテンキな感じなので、
怖いとか思ったことはない。

それから、一気に店の雰囲気が良くなって
そして、夏仕様のこじきのお陰で笑いが起こり
奥さんもいつの間にかいつもの奥さんで
話をしたり笑ったりできるようになった。

よかった。

昼前、水泳部みたいなスーツが来た。
デキる男みたいに動き回る。
べつにかっこよくない。

やっぱり店長ですよね。

アイスを買って帰ってきた。
今日は暑い。

部屋の掃除をしよう。
すっきりなるはず。
押し入れも整理しなきゃ。

今夜はなにを食べようかな。